公益財団法人介護労働安定センター(久志実理事長)は、平成29年度「事業所における介護労働実態調査・介護労働者の就業実態と就業意識調査」の結果をまとめた。

調査は、全国の介護保険事業所約1万8000事業所とそこで働く介護にかかわる労働者を対象に、平成29年10月に実施し、回答のあった約8800事業所、約2万1000人について集計している。

まず、事業所調査の結果をみると、従業員の過不足については、「大いに不足」9.6%、「不足」24.4%、「やや不足」32.6%、「適当」33.0%、「過剰」0.4%となっており、不足感(「大いに不足」、「不足」、「やや不足」の合計)は66.6%となり、前年度(62.6%)より4.0ポイント増加し、4年連続の増加となった。

不足している理由としては(複数回答)、「採用が困難である」が88.5%と最も高く、採用が困難である原因としては(複数回答)、「同業他社との人材獲得競争が激しい」(56.9%)、「他産業に比べて、労働条件等が良くない」(55.9%)、「景気が良いため、介護業界へ人材が集まらない」(44.5%)などが多い。

賃金についてみると、所定内賃金の平均額は、時給制の者では、訪問介護員(介護保険法の指定を受けた訪問介護事業所で働き、高年齢者等の家庭を訪問して家事などの生活援助、入浴などの身体介護を行う者。いわゆるホームヘルパー)1249円、介護職員(訪問介護以外の介護保険の指定介護事業所で働き、直接介護を行う者。看護職は含まない)956円、月給制の者では、訪問介護員19万8486円、介護職員21万1464円となっている。

次に、労働者調査の結果をみると、現在の仕事を選んだ理由は(複数回答)、「働きがいのある仕事だと思ったから」が50.1%と最も高く、以下、「資格・技能が活かせるから」35.5%、「人や社会の役に立ちたいから」29.7%、「今後もニーズが高まる仕事だから」29.0%──と続いている。

また、現在の仕事の満足度(「満足」と「やや満足」の合計)をみると、「職業生活全体」では26.8%となっている。項目別では、「仕事の内容・やりがい」(53.3%)、「職場の人間関係、コミュニケーション」(47.4%)、「職場の環境」(40.3%)、「雇用の安定性」(36.9%)で満足度が高く、逆に、「教育訓練・能力開発のあり方」(20.2%)や「賃金」(21.3%)は満足度が低い。

労働条件等の悩み、不安、不満などをみると(複数回答)、「人手が足りない」が53.0%と最も高く、以下、「仕事内容のわりに賃金が低い」39.6%、「有給休暇がとりにくい」34.2%、「身体的負担が大きい(腰痛や体力に不安がある)」29.9%、「精神的にきつい」26.7%、「業務に対する社会的評価が低い」26.4%、「休憩が取りにくい」24.5%──と続いている。