厚生労働省は、働き方改革法による改正後の労働基準法の施行に関する解釈を都道府県労働局長に通達した。それによると、使用者が時季指定して付与する年次有給休暇(年5日)については、比例付与の対象労働者が、前年度繰越分と当該年度付与分を合わせて初めて10日以上の年次有給休暇を保有する場合は対象外であるとしている。また、使用者による時季指定は、年次有給休暇の基準日当初に限るものではなく、基準日以後1年間の途中で行うことも可能であるなどとしている(6ページ以下に関連の特集記事を掲載)。

 今回の解釈通達は、改正労働基準法のうち、①フレックスタイム制、②時間外労働の上限規制、③年次有給休暇──の改正部分について計37のQ&Aを示している。加えて、労働基準法施行規則の改正に関して、労働者が希望した場合における「電子メール等」による労働条件の明示などについても解釈を示している。

その中から、年次有給休暇に関する解釈をみると、改正法で新たな仕組みとして設けられた使用者が時季指定して取得する年5日の年次有給休暇(法第39条第7項)について、時季指定をいつの時点で行うかは、「使用者による時季指定は、必ずしも基準日から1年間の期首に限られず、当該期間の途中に行うことも可能である」との解釈を示している。

改正法は、使用者による時季指定の対象者を「有給休暇の日数が10労働日以上である労働者」と規定している点に関しては、パートタイマーなどで年次有給休暇の付与日数が比例付与である労働者が、前年度繰越分と当該年度付与分を合わせて初めて10労働日以上となる者については、「有給休暇の日数が10労働日以上である労働者」には含まれないとの解釈を示し、これらの者については新たな仕組みは適用しないことを明らかにした。

また、使用者による時季指定を半日単位や時間単位で行うことの是非について、使用者が時季指定するに当たり、その時季について労働者の意見を聴いた際に半日単位での取得の希望があった場合は、半日単位の時季指定も差し支えないとしている。なお、この場合、半日の年次有給休暇の日数は0.5日として取り扱うとしている。一方、時間単位の時季指定については認められないとしている。

さらに、使用者による時季指定の就業規則への記載に関して、「時季指定を実施する場合は、時季指定の対象となる労働者の範囲及び時季指定の方法等について、就業規則に記載する必要がある」との解釈を示した。