厚生労働省は4月1日、「平成31年度地方労働行政運営方針」を策定し、都道府県労働局に通達した。それによると、改正労働安全衛生法に基づく労働時間の状況の把握については、管理監督者や裁量労働制の適用者も含めた全ての労働者が対象となることや労働者への通知が必要となることなどについて、重点的に周知・指導するとしている。また、労働者の健康確保対策の強化として、労働者数50人以上の事業場で産業医が未選任の事業場に対して、集団指導や個別指導等を計画的に行うこととしている。

 運営方針は、今年度の地方労働行政の柱を示したもので、各都道府県労働局では、これを踏まえて各々の管内事情に即した重点を盛り込んだ独自の運営方針を策定し、行政運営を行っている。

今年度の運営方針は、労働行政を取り巻く情勢を記し、重点施策として、①総合労働行政機関としての施策の推進、②働き方改革による労働環境の整備、生産性向上の推進等、③人材確保支援や多様な人材の活躍促進、人材投資の強化、④労働保険適用徴収業務の適正な運営、⑤毎月勤労統計調査に係る雇用保険、労災保険等の追加給付、⑥東日本大震災からの復興支援──の6項目を挙げている。そして、②~⑥については、項目ごとに課題を示した上で、今後の取組みを掲げている。

労働基準行政に関する重点施策をみると、罰則付きの時間外労働の上限規制や高度プロフェッショナル制度の創設等が盛り込まれた改正労働基準法の適正な履行確保に向けて、事業主等に対して法制度の周知を図る。特に、時間外労働の上限規制については、36協定において定めた労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させることができる時間の範囲内で労働させた場合であっても、労働契約法の規定に基づく安全配慮義務を負うこと、特別条項を締結するに当たっては、労働時間の延長は原則として月45時間、年360時間の限度時間にできる限り近づけるように努めなければならないことを含め、「労働基準法第36条第1項の協定で定める労働時間の延長及び休日労働について留意すべき事項等に関する指針」(平成30年厚生労働省告示第323号)に沿って周知を図るとしている。

また、改正労働安全衛生法に基づく労働時間の状況の把握については、管理監督者や裁量労働制の適用者を含めた全ての労働者が対象となることや労働者への通知が必要となることなどについて、重点的に周知、指導するとしている。

さらに、36協定が未届の事業場に対し、引き続き、民間事業者を活用し、労働基準法等の基礎的な知識の付与のため相談支援等を実施する。

過労死等を防止するための労働者の健康確保対策では、労働者数50人以上の事業場で産業医が未選任の事業場に対して、集団指導や個別指導等を計画的に行うとともに、労働者数50人未満の事業場に対して、労働者の健康管理等を行う医師や保健師の選任に努めるよう指導等を行う。

また、ストレスチェックの実施の徹底を図るため、引き続き、労働基準監督署への実施報告書の提出状況等から管内の実情を把握しつつ、労働者数50人以上の事業場に対して重点的な指導等を行うとしている。