厚生労働省は、今年4月1日施行の改正労働安全衛生法の解釈に関する通達を都道府県労働局長あてに発出した。

改正安衛法では、「事業者は、第66条の8第1項又は前条第1項の規定による面接指導を実施するため、厚生労働省令で定める方法により、労働者の労働時間の状況を把握しなければならない」と規定され、事業者に対して、労働者の労働時間の状況を把握する義務を新たに課している(第66条の8の3)。

そして、改正労働安全衛生規則では、「法第66条の8の3の厚生労働省令で定める方法は、タイムカードによる記録、パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間の記録等の客観的な方法その他の適切な方法とする」とされている(第52条の7の3)。

解釈通達によると、事業者は、どのようなことを把握すればよいかについて、「労働者の健康確保措置を適切に実施する観点から、労働者がいかなる時間帯にどの程度の時間、労務を提供し得る状態にあったかを把握するものである」としている。その把握の方法については、「原則として、タイムカード、パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間の記録、事業者の現認等の客観的な記録により、労働者の労働日ごとの出退勤時刻や入退室時刻の記録等を把握しなければならない」としている。

また、改正安衛則第52条の7の3の「その他の適切な方法」としては、「やむを得ず客観的な方法により把握し難い場合において、労働者の自己申告による把握が考えられる」としている。ただし、この場合には、事業者は、自己申告制の対象となる労働者に対して、労働時間の状況の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことなどについて十分説明すること等5項目の措置(「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(平成29年1月20日策定)」と同内容)を全て講じる必要があるとしている。

さらに、「やむを得ず客観的な方法により把握し難い場合」としては、「例えば、労働者が事業場外において行う業務に直行又は直帰する場合など、事業者の現認を含め、労働時間の状況を客観的に把握する手段がない場合があり、この場合に該当するかは、当該労働者の働き方の実態や法の趣旨を踏まえ、適切な方法を個別に判断すること」としている。

なお、労働者が事業場外において行う業務に直行又は直帰する場合などであっても、「例えば、事業場外から社内システムにアクセスすることが可能であり、客観的な方法による労働時間の状況を把握できる場合もあるため、直行又は直帰であることのみを理由として、自己申告により労働時間の状況を把握することは、認められない」との解釈を示した。

このほか、自己申告制の場合には、「その日の労働時間の状況を翌労働日までに自己申告させる方法が適当」との解釈などを示している。