厚生労働省は、同省の「毎月勤労統計調査」を不適切な手法で行っていた事実が確認されたことに伴い、雇用保険・労災保険給付等の受給者の一部に対し、必要な追加給付を行うことを発表した。

同調査は、常用労働者を5人以上雇用する事業所の雇用、給与、労働時間の変動を毎月明らかにすることを目的に実施している。「500人以上規模の事業所」については、全数調査するとしていたところ、東京都では平成16年以降、一部抽出調査で行っていたことが分かった。

これにより、平成16年以降の同調査における賃金額が低めに出ていたことから、同調査の平均給与額の変動を基礎としてスライド率等を算定している雇用保険・労災保険制度における給付額に影響が生じることになった。

このため、平成16年以降に雇用保険、労災保険、船員保険の給付を受給した者の一部及び雇用調整助成金など事業主向け助成金の受給事業主の一部に対し、追加給付が必要となった。

追加給付の対象となる可能性があるのは、①雇用保険関係では、「基本手当」、「再就職手当」、「高年齢雇用継続給付」、「育児休業給付」などの雇用保険給付を平成16年8月以降に受給した者、②労災保険関係では、「傷病(補償)年金」、「障害(補償)年金」、「遺族(補償)年金」、「休業(補償)給付」などの労災保険給付や特別支給金等を平成16年7月以降に受給した者、③船員保険関係では、船員保険制度の「障害年金」、「遺族年金」などの船員保険給付を平成16年8月以降に受給した者、④事業主向け助成金関係では、「雇用調整助成金」の支給決定の対象となった休業期間の初日が平成16年8月から平成23年7月の間であったか、平成26年8月以降であった事業主──となっている。

追加給付の1人当たり平均額、対象人数の見通し(平成31年1月11日時点)は、雇用保険は、1つの受給期間を通じて1人当たり平均約1400円、延べ約1900万人、労災保険は、年金給付(特別支給金を含む)では1人当たり平均約9万円、延べ約27万人、休業(補償)給付では1人1ヵ月当たり平均約300円、延べ約45万人、船員保険は、1人当たり平均約15万円、約1万人──などとなっている。なお、本来の額よりも多く支給していた場合については、返還は求めないとしている。

同省は今後、正確な支給のための準備を経て、対象者の特定、給付額の計算が可能なケースから、できる限り速やかに順次追加給付を開始する予定としている。