厚生労働省はこのほど、介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律に基づき定められる「介護雇用管理改善等計画」を全面的に改正することとした。

同計画は、介護労働者の福祉増進を図るため、介護労働者の雇用管理の改善、能力開発及び向上などに関する事項を定めるもの。今回の計画は、平成21年8月から平成26年度までを計画期間とした前回の計画を全面的に改正したものとなっている。

新たな計画は、計画策定の目的に、介護労働者が生き生きとやりがいをもって働くことのできる魅力ある職場づくりを力強く支援することを掲げているのが特徴の1つで、介護労働者の雇用管理の改善を図るための施策の基本となるべき事項について、前回の計画を大幅に改めている。

その主な内容をみると、まず、計画の期間は平成27年度から32年度までとし、計画に基づく取組みが着実に実施されるよう、定期的に労働政策審議会に報告・公表し、必要に応じ計画を見直すこととしている。

そして、計画の目標として、①一層の職場定着、②雇用管理責任者の選任の促進、③教育・研修計画立案の促進、④仕事と生活の調和──などを挙げている。具体的な目標としては、雇用管理責任者を選任した事業所割合を50%以上とすること、また、雇用管理責任者を選任した事業所のうち、雇用管理責任者講習の受講を契機として雇用管理責任者を選任することとした事業所の割合を80%以上とするなどとしている。

次に、施策の基本となるべき事項をみると、雇用管理の改善に関しては、①雇用管理の改善のための相談、援助の実施、②雇用管理の改善を支援する助成金等の活用促進、③雇用管理責任者講習の実施、④好事例の活用、⑤自己チェック機会の提供、⑥公共職業安定所と公益財団法人介護労働安定センターとの連携強化、⑦助成金、制度等についての情報発信、⑧法定労働条件の確保、⑨腰痛予防対策、⑩介護サービス情報の公表、⑪介護ロボットの開発支援、⑫地域医療介護総合確保基金の活用による労働環境の改善、⑬妊娠・出産、育児休業等を理由とする不利益取扱いの禁止、⑭仕事と生活の両立支援──の14項目を示している。

その中で、法定労働条件の確保に関しては、新たに事業を開始した事業主に対しては、長時間労働の抑制や安全衛生管理体制の確立など適正な職場環境が形成されるよう、セミナーの開催や専門家による労務管理・安全衛生に係る基本的な知識等の普及指導を行うとしている。また、腰痛予防対策として、介護作業での腰痛予防のための作業管理(自動化または省力化)、作業環境管理(照明等)、健康管理(腰痛健診、腰痛予防体操等)、労働衛生教育などについて周知啓発を行うほか、社会福祉施設等を対象に腰痛予防対策講習会を開催するとしている。

職業能力の開発及び向上に関しては、①公益財団法人介護労働安定センター等による介護労働者の能力開発、②能力開発に関する相談援助、③能力開発・キャリアアップを支援する助成金等の活用促進、④教育訓練講座の指定、⑤ジョブ・カード制度を活用した能力開発──の5項目を示している。具体的な取組みとしては、座学と企業等における実習を組み合わせた実践的な職業訓練や地方公共団体の福祉施策と連携した教育訓練の実施、介護事業所等の教育担当者及び管理者を対象とした能力開発セミナー等を開催するなどとしている。